
2018年10月に発売された二月の勝者3巻を読みました。
二月の勝者は桜花ゼミナールという中堅の中学受験塾が舞台のマンガでなのですが、かなり面白いので中学受験真っ只中だった2018年からずっと読んでます。
二月の勝者3巻のおおまかな内容は、
- 塾の下位クラスに在籍する偏差値50以下の子どもたちの成績をあげる方法
- 志望校の決め方
- なぜ私立を選ぶのか?
などについて描かれていました。
少しネタバレも含みますので、ご注意ください。
【二月の勝者3巻】算数の偏差値40を50にあげる方法
偏差値を上げる方法というのは、受験生を抱えている親御さんであれば誰でも知りたいですよね?
二月の勝者3巻に描かれていたのは、算数の偏差値40を50にあげる方法についてでした。
桜花ゼミナールのクラス構成は、上からΩ、A、Rクラスと成績順に分けられており、座席も成績順です。
しかも、生徒全員が見ることのできる掲示板に名前と座席が貼られている。
だから、誰がトップで誰が最下位なのかが一目瞭然です。
SAPIXでも6年生からは成績順に前から順番に座ります!
厳しいけど、成績順に座るというのが息子のケンタが頑張る原動力にもなっていたような気がします。
成績が悪い場合、あまり気にしない性格であればいいけど気になる子にはキツイでしょうね。
二月の勝者3巻では偏差値の低い、主にRクラスの子どもたちを中心に話が進んでいきます。
偏差値が低い子どもには理由がある
模試の過去問をRクラスの子どもたちに解かせるシーンでは、小数点の打ち間違いや約分するのを忘れたり、解答用紙への転記ミスなどのミスが頻発していました。
小学生にありがちなミスですね。
桜花ゼミナールの吉祥寺校長である黒木は、Rクラスの生徒の成績をあげるために『ある方法』をとりました。
どうして、こんなことをするのか?
基礎の計算問題の重要さが、未だにわからないような「できない」子は、「できる」子の真似をしても無意味だから。
このような理由で、黒木は『ある方法』をとったのでした。
その結果、4人の生徒の偏差値は上がったか?
3人は10点以上アップした結果、偏差値も30台から40台へと上がりましたが、1人だけ下がっていました。
3人の成績が上がった理由は?
二月の勝者3巻を読んでください。
あ~、なるほどね。と納得できること間違いなしです!
成績を上げるために必要なことは、何なのか?がわかります。
黒木は難問が解けなくても、解ける問題を確実に解くことで点数を上げ、自分の実力で偏差値をあげることができたという体験は、小学生の子どもにとってはどんな喜びにも代えがたい、どんなご褒美よりもこれにかなう喜びと原動力はないと言っています。
こういった小さな成功体験を少しずつ積み上げていくことで、やる気も出て努力もできるようになり、成績もあがっていくのかもしれませんね。
ただし、『ある方法』で伸ばせるのは偏差値50まで。
その先まで偏差値を伸ばす方法は、また今度ということでした。
偏差値30台の生徒で一人だけこの方法で成績が下がった生徒(石田王羅くん)がいるのですが、その原因を探すのは新人講師である佐倉の宿題となっていました。
どうして、下がるのかわからないので理由を早く知りたいです。
あわせて読みたい
志望校を決める!優先するのは親の希望?子どもの希望?
黒木は小学生の夢なんかを志望校選びの理由付けにしてはいけないと言います。
子供は裏切るので、言うことを真に受けてはいけません。
有名中学受験塾のフェニックスの講師灰谷も、子どもの夢を中学受験で指針にするなんて論外って言ってました。
フェニックス講師らしく、成長とともに夢も変わることを見込めば、常に偏差値の高い学校を目指すべきだと。
高ランクの大学に進学することは職業選択の幅が広がるから、トップランク大学を目指す仲間のいるトップ中学を目指すべきなのだそう。
志望校の選び方も書かれてあり、かなり良い方法だなと思いました。
我が家はすでに志望校は決めてしまったあとだったので、参考にはできませんでしたが。
たしかに、二月の勝者3巻に書かれてある方法で学校選びをすると、志望校を決める際に親子で揉めることもなくなります。
なぜ高いお金を払ってまで私立中に進学するのか?
家庭によって学校の選び方はさまざま。
公立もあるのに、何故わざわざ高い学費を払ってまで私立に行くのか?
それは家庭の考え方次第ですよね。私立でしかできないこともあるだろうし。
偏差値を基準に選びがちですが、どのような大人になってもらいたいのか、どういうことを中高の6年で学んでもらいたいのかも重要です。
まぁ、実際に入ってみてからしかわからないことって多くあるとは思いますが。
思ってたのと違うとなる場合もあるだろうし…。
実際に第一志望の学校に合格したのにも関わらず、合わなくて途中で辞めてしまった生徒も少数ながらいるようです。
偏差値55から60の間は断絶した崖道
偏差値55から60の間は断絶した崖道とのことですが、これには納得できます。
実際にケンタはSAPIXに途中入室して勉強時間が増えると、58~59あたりまではあっという間に到達しました。
けれど、SAPIX偏差値60にあと少し足りずに越えられないという状態が何回か続きました。
詳しいことはこちらの記事に書いています。
あわせて読みたい
同じ偏差値5UPといっても、偏差値40を45にあげるのと、偏差値55を60にあげるのでは難易度が全然違います。
さらに高偏差値(65を70など)となると本当に難しい。
算数で公式丸暗記で点数をとっていた生徒は、6年生になり、入試問題レベルの複合問題になってくると一気に失速します。
ここの壁を乗り越えることができなければ、中堅校レベルで終わってしまうので塾としては何としても突破してほしい壁のようです。
当たり前ですが母集団によっても偏差値は大きく異なりますから、塾によって偏差値はバラバラです。
そのことは二月の勝者2巻を読めば書いてあります。
桜花ゼミナールで2位の成績の花恋ちゃんですら、上位層の多いフェニックスへ行くと上から3番目のクラスのしかも後ろの方の席でしかありません。
(フェニックスでは成績の良い生徒が前から順に座ります。)
そうはいっても、本当のトップ層はどこの塾へいってもトップ層だと思いますが。
下剋上を成し遂げられそうな生徒がAクラスにいる!
受験の天王山といわれる夏休みを目前にして黒木は各クラスで話をするのですが、中堅クラスのAクラスで下剋上、サッカーでいうジャイアントキリングを成し遂げれそうな生徒がいるらしい。
どういう意味かというと、偏差値58までは基本をしっかりやれば誰でも伸びるけれども、その壁を大きく超える成績を成し遂げられそうな生徒がいるらしい。
誰なのかわからないけど、鉄道マニアの加藤匠君かな?
そう考える理由は、基礎問題の重要性を自分なりにしっかり落とし込めているような気がするから。
マンガを読んだ人にしかわからないけれども、加藤匠君は1巻では桜花ゼミナールで成績最下位レベルだったのです。
6年の初めのうちはやる気もなく、塾を辞めさせようと親が決断するほどに悪い成績の生徒でしたが、ある理由から俄然やる気が出てきた子です。
匠くんは自分のやりたいことができる学校への合格のために頑張っているから、ジャイアントキリングを成しえる生徒が加藤匠くんだったらいいのになぁと思う。
まとめ
中学受験受験マンガの二月の勝者はやっぱり面白いですね。
小学生の子どもがいるご家庭では読んでおいて損はない。
特に中学受験を考えているのであれば塾の裏側を知ることができるので参考にはなります。
あくまでマンガなので大袈裟に描かれているのだろうけど、塾講師の保護者に見せる顔とはまた違った裏側がわかりますよ。
二月の勝者のレビュー記事です。
あわせて読みたい
中学受験がどんなものなのか?を知りたい方にはこちらの本もおすすめです。
お子さんと一緒に中学受験のイメージができると思いますよ。